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『千円札は拾うな』著者の安田佳生氏に聞く!ブランディングとは一体何なのか?(その2)

『千円札は拾うな』著者の安田佳生氏に聞く!
ブランディングとは一体何なのか?(その2)
渡邉:ブランドは、どのように創り出していくのですか?
安田:ブランドのアピールする相手は当然潜在顧客なのですが、その前に、社内スタッフに理解・浸透させなければなりません。
例えば、「コーヒーの香りが漂う雰囲気のいい喫茶店」を売りにしたいのに、スタッフがつける香水が強すぎたら、お客さんにはそのブランドイメージは伝わらないですよね。
だから、最初は経営陣と自社のスタッフとブランドイメージは何なのかを一緒に創りだし、共有することで、自分たちのブランドの価値を明確にもつ必要があります。
社外へ発信していくのが、その次のステップとなります。
渡邉:なるほど。他社と差別化できるような、ブランドイメージが曖昧なまま経営している会社はよくありますよね。むかしは差別化できていたのに、競合もおいついてきて同質化してしまっていて、それを放っておいてしまっているという。
安田:そうです。いまの環境において、自社のサービス・商品は、「どんな人に」対して、「どういう価値」を提供するのか。それを徹底的に考え、常に革新をしていかなければなりません。
いまは、機能やスペックが単純に優れているからという経済合理性だけで選ばれるわけではないですよね。商品・サービスの成熟が進み、代替品がいくらでもある状況だからです。
ですから、その延長でいくらスペックを向上させたり、サービス拡大をしてみてもお客さんへのアピールにならないのです。
しかも、誰にでも好かれようとカバー領域を広くすればするほど、商品特徴もなくなるし、企業利益を圧迫するようになるものです。